手を離して目を離さない子育て・親育て

自閉症スペクトラム(ASD)親娘の日常(過去・現在)を中心に書いています

私の学生時代(3)恋愛編

人生を左右した大きなもう一つの要因。学生時代の失敗、恋愛編です。

 彼とは学外の文化系サークルで知り合いました。大学に入って初めての夏休み。「好きな人ができて彼女と別れた。付き合ってほしい。」と告白されました。私たちのサークルとテニスサークルのかけもちで、彼女ととても仲が良いと聞いており全くの恋愛対象外だったので動揺しましたが、いい人だし、彼の気持ちが嬉しかったので付き合うことになりました。

「○○のカノジョ」

知り合う人のほとんどが彼の友達のため、どこへ行っても「○○のカノジョ」という見られ方になりました。「ワタシは何!?」個人としての価値を見出だせなくなり悩みました。

「自分の気持ちが分からない」

それまでにも、いいなぁ~と気になる人はいましたが、心から好きになった人はいなかったため「好き」という気持ちがよくわかりませんでした。ただ、告白された日から常に心の真ん中にいて、生活の全てが彼を中心に考えていました。そして、とても大切にしたいという気持ちは、はっきりしていました。

手作りマフラーやチョコをプレゼントしたり、彼が出演したCMを編集して(当時はVHS)いつか彼の子供に見せてあげたいと保存していたり……。そんな甘い気持ちも持ちながら、自分の気持ちをつかめずにいました。

「私は彼にはふさわしくない」

テニスが得意でおしゃれで、代表を2年務めたり、コミュニケーション力の高い彼は、複数の女の子から告白されることがありました。最初のうちは正直に話してくれ、その気持ちは嬉しく浮気の心配は一切していませんでした。ただし、「ワタシというカノジョがいることを知りながら告白する」ということは「ワタシがカノジョとしてふさわしくない」と否定されているようで、とても落ち込みました。

学内でも彼を慕う女の子たちから噂されることもありました。「○○さんのカノジョ」と話しているのを実際に見かけたこともあるし、「噂されてたよ」と知り合いに教えてもらったこともありました。とても苦しくて彼に

「テニスサークルの女の子たちに噂されることが怖い」と打ち明けたことがありました。彼は、悲しそうな表情で

「(彼を慕う女の子たちは)そんなことはない。(ワタシの)気にしすぎだ。」と応えました。

彼の言うことが正しいとわかっていても、この苦しみが癒えることはありません。

前回・今回のブログで書いてきた内容もあり、彼が大切で幸せになってほしい気持ちはとても強かったので、自分でも「ワタシは彼にふさわしくない」という思いが強くなりました。

今なら言えるんだけどね。

他人を見下すような発言陰口を言うのも、されるのも好きじゃない!

特に直接話したこともない人の噂を公の場でするなんてっ!!TVに出てるような有名人じゃないんだから……。

他のことでもそうなんだけど、どんなことがあっても、彼には常に理解してくれる味方でいてほしかった。

正論だけじゃダメなんだよ。

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陰口


「やきもち」

自分達のサークルや彼のテニスサークルの後輩の女の子たちと楽しそうに話す姿を見ることも、とても苦しかったです。前回も書いたように賑やかなのは大好きなので合宿等へも参加したかったのですが、苦しみの方が大きかったので、何かしらの理由をつけて避けたこともありました。単にものすごい“やきもち”なだけなんですけどね。彼への信頼は揺るぎないものだったので、「やきもちをやいている自分が間違っている。自分を許せない。」状態になっていました。

「彼の大切なものを奪いたくない」

彼の趣味や良い仲間たち、私のために我慢してもらうことで彼の大切なものを奪いたくはありませんでした。ある年の大晦日、どうしても一緒に過ごしたいと珍しくわがままを言ったことがあります。彼は、本当はテニスサークルの仲間たち(女の子も含む)と一緒に過ごしたかったようなのですが、私を選んでくれました。とても嬉しかったです。ただ、一緒にいても、ふと心ここにあらずの表情を浮かべることがありました。実際に何を考えていたかはわかりませんが、彼の楽しみを奪ってしまったのではないかと自分を責めました。

 「どうして、お前はそうなんだ」

たまに、彼はそうつぶやくことがありました。何気なく言った言葉で私を責めるつもりがないことは分かっています。自分でも「どうして、こんななんだろう。上手くいかないんだろう。」と思っていました。

 自分を責めるのではなく、彼にふさわしいカノジョになれるよう努力すればいいのは分かっています。でも、ここには書ききれない事情や思いがあり、そう簡単にはできないんだよぉ~~~!!!

「ワタシの良いところがわからない」

前回書いたように就職活動に当たり、自分の良さを見つけることができませんでした。恋愛面でも自分の良さがわからないこともあり、先に就職内定していた彼に「私のどこが好き?」と聞いてみました。

「どうして、そうなんだ!って思うところもあるけど、全部。(就活や恋愛)全部を一緒にするな!」

その通りです。しかし、当時の私にとっては学生生活、就活、恋愛、全て一つながりでした。結局、答えは見つけられませんでした。

「目の前にいるのに、とても遠い」

まだ携帯が普及し始めたばかりの頃で、私は学生の頃からポケベル→PHS→携帯と常に連絡手段がありましたが、彼は自宅電話のみ。就職後、会社から支給された携帯はありましたが個人用は持っていませんでした。大企業へ就職し、実家を離れ県外で一人暮らしをすることになった彼。深夜に、自宅への電話は頻繁にしていましたが、遠距離になったため会う回数は減ってしまいます。地元へ戻ってきたある時、デート中に公衆電話にPCをつないでメールチェックを始めました。短い日程の中で、家族や友人と過ごす時間も必要なことは分かっているし、一緒にいられる時間は限られているのに……ほんの数分の出来事ですが、何もできず、ただ待つしかありません。目の前にいるのに、とても遠く、長い時間でした。

「気持ちが離れていく」

彼は新しい環境で友人も増え、社会人生活を満喫していました。私の方は就活失敗で実家勤務、同世代の人との接点はなくなっていました。

私の誕生日プレゼントに何がいいか聞かれ“ジグソーパズル”をお願いたしことがあります。彼から見れば「何で、そんな物……」だったことでしょう。

実は、後に知ったのですが、作業療法に当たることを自然と自分でやっていたのです。好きなことに集中して取り組み、完成した物を飾っておくことで達成感や自己肯定感を高めることにつながります。さらに大切な人からのプレゼントであれば特別です。おかげで就活は失敗しても、家の仕事や家族の介助だけでなく習い事へ出掛けたり、単発でボランティアやアルバイトで外へ出たりして、完全な引きこもりにはならずに済みました。

そんな私に対して、価値観の違い等が気になり始めたのかもしれません。デートの時に小バカにするような発言が増えました。胸がチクっと痛みます。

「別れ」

彼には私よりもっとふさわしい人がいると思っていたので、何度も私から別れを切り出したことはありましたが、その度に彼に引き留められていました。自分の「彼を好き」という気持ちはハッキリしないままでしたが、大切なのは間違いありません。上手く表現して一緒に喜ぶことはできなかったけど、彼のルックスやテニスの試合、就活の結果が素晴らしいものだと分かっています。そして、その結果に至るために努力していたことや私を大切にしてくれている気持ちは伝わってきており惹かれていたし、側にいてくれた唯一の人だったので離れることはできませんでした。

しかし、彼を遠くに感じるようになっていた今回は違いました。返ってきた返事は「わかった」でした。

 

子供の頃から様々な経験を通して色々な感情を知り自分自身のことや自分の感情を受け入れ、表現することができれば、自信を持つことにつながり、もっと楽しく暮らせるのだと思います。言葉にするのは簡単ですが、それがなかなかできないから生きづらいのかもしれないですね。

次回は、恋愛番外編・別れたその後のお話です。

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過去記事まとめ
このブログについては、プロフィール(翼の折れたペガサスid:thebrokenwing&1回目の記事をご覧下さい。

2018/10/30 手のかかる親子の日記始めます ~二次障害を防ぎたい~
2018/11/02 乳児期 ~手のかかる赤ちゃんとダンナ~
2018/11/06 発達の遅れ ~発達障害???~
2018/11/12 園生活 ~幼稚園探しと集団生活への課題~
2018/11/16 診断~自閉症スペクトラム


=現在の私の教育・療育の基本になる経験・失敗談=
2018/11/19 私の学生時代(1)適性と病気への理解
2018/11/21 私の学生時代(2)コミュニケーション力
2018/11/26 私の学生時代(3)恋愛編