みんなとなんか違う子は、いつも譲らなきゃダメですか?
先週、娘がこんな日記を書いていました。
わたしは、今まで班で3回、総合などで2回リーダーをしたことがあるような気がします。
(注:いずれも立候補ではなく他にやる人がいない、もしくは推薦で。3年生の1年間で行った数。)
(中略)
4年生になったら、リーダーを決める時は、できるだけゆずるようにします。
班長の件に限らず、譲れる、人が嫌がる仕事もできるって、すごいと思う。今、娘に言えることは「よくやった!」。でも、なんだかちょっぴり切ないよ。
娘は5歳頃から、基本的にはすべて“待つ・譲る”ようになりました。
- 周りの子よりも動作が遅い。不器用。(発達性協調運動障害)
- 少し触れただけでも、痛みの感じ方が大きい。(感覚過敏)
って、自分のことを知っていて、相手の気持ちを考えることもできるから。
幼稚園で年中(4歳)の時に、私が相手の保護者に謝罪をしなければいけないことが2度続けて起こった頃から特に…です。
どちらも発端はおもちゃの取り合いで最終的に娘が相手のお子さんに噛みついてしまいました。ハッキリした状況・こどもたちの思いが大人たちにはわからないままでの謝罪後、当日夜、娘の様子が落ち着いてから聞いた話と、先生や相手方のお母様の話(相手のお子さんが話していたこと)を総合すると、次のようなものでした。
ケース1
娘は順番・ルールにこだわるところがあり、友達のおもちゃを奪うようなことはしません。必ず使われていないおもちゃで遊ぶか、友達が使い終わるのを待ちます。
この日も、一人でおもちゃで遊んでいると、同級生のA子ちゃんが、
「かして~」とやってきました。
「だめっ!」と、言葉で伝える娘。まだ遊びたりなかったようです。
その譲れなかった場面だけを見かけた隣の組のB子ちゃんが近づいてきて、
「いじわるしちゃ、いけんよ!」と、娘に注意をしました。B子ちゃんは、仲良しのA子ちゃんの味方をしただけ。(B子ちゃんは年少の頃から、できないことが多い娘に注意しトラブルになることがよくあったようです。)
そこでカッとなってしまって、B子ちゃんの腕にがぶっ。
ケース2
娘がテラスの柱をつかみ、一人でくるくる周って遊んでいました。
そこへ同級生のC子ちゃんが、
「わたしも、やりたーい!」と、やってきました。
「だめっ!」と、言葉で伝える娘。やはり、まだ遊びたりなかったようです。
C子ちゃんも諦めません!隣の柱たちは、あいているのに……。
そして、腕にがぶっ。
夜、話を聞いた時、娘は激しく泣きながら
「ちゃんと、ことばで『だめっ!』って言ったよ!!!」
(from illustAC)
どちらのケースも降園後、担任の先生から電話があり「おもちゃの取り合いでケンカになって、相手のお子さんに噛みついた」とだけ聞き、元気なくただ泣くばかりの娘から何も聞けぬままでの謝罪でした。
どんな原因があっても、相手の保護者から見たら不安や怒りがあるでしょう。娘にも「相手をケガをさせるようなことは絶対にダメ」「気持ちは言葉で伝えるように」と教え続けています。先生方もよくわかっていらっしゃるようで、トラブルがあると「こういうことがありました」との報告だけで相手が誰かを教えてくださることはほとんどありません。相手方の保護者の様子を見て謝罪した方がいいと判断した時のみ、お名前と連絡先を教えていただいていました。
その時の謝罪の様子を、少し離れた所で息を殺すようにして泣きながら聞いていた娘が、ポツリと
「おかあさんが、ごめんなさいしてた……。」
“待つ・譲る”は、トラブルを回避するために4歳で身につけたスキルでした。
家の中でも、ダンナの特性に合わせて
「お父ちゃんはこういうことが苦手だったり、こだわりがあるから、わかってあげてね。」
と我慢させることもあり、いろんな場面ですっかり“欲がない子”になっています。
園でも小学校でも、各々の思いがあり、うまくいかないことは多々あります。
でも……、やっぱり……、常に譲るってのは、ちょっぴり切ないよ。
本当にやりたいことは「やりたい!」って手を挙げていいんだよ。その上で、話し合いやじゃんけん等、ルールを守って決めればいいんだよ。
このブログについては、プロフィール(翼の折れたペガサスid:thebrokenwing)&1回目の記事をご覧下さい。