手を離して目を離さない子育て・親育て

自閉症スペクトラム(ASD)親娘の日常(過去・現在)を中心に書いています

「努力が足りないんじゃない?」っていう目で見られると、けっこうヘコむんです。

前回の身体のぎこちなさの続きで「『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフがディスプラクシア(統合運動障害)で靴ひもがうまく結べない」という話題で知られる「発達性協調運動障害」のことを書いてみます。

          f:id:thebrokenwing:20190201130632j:plain(from illustAC)

私も娘も、運動が苦手。(>_<)

発達障害の中でも特に、2014年より前の診断名でいうアスペルガー症候群の場合ほぼ100%不器用さが現れるという話を聞いたことがあります。・・・おおぉぉ~~!私たち家族にピッタリ当てはまる!!

“からかい”のターゲットになりやすい症状です。

見た目じゃわからないので「スポーツできそう!」「器用そう!」と誤解され、50m走やマラソンのタイムが最下位だったり、うまくできないことがあると……

「もっと速く走れるでしょ~!」
「ふざけてるでしょー!」

「こんなのできて当たり前じゃん!」
「努力が足りないんじゃない?」
「もっと練習すればできるよ!」

って言われたり、そんな表情を目にしてしまうと、結構ヘコんでしまいます

他意はなく、もっとできるだろうと期待して言ってくれてるんだろうけど。その何気ない一言や表情が、受けた側には重くのしかかる。こういう時に「最後までがんばったね。」とか、理解しフォローしてくれる人が大事なのです。そういう人がいなくて孤立してしまうと、10~20代の過去のワタシのように負のスパイラルにハマって苦しむことになる。

“理屈はわかってるよ!瞬時の判断ができなかったり、思うように身体が動かないんだよっ!!これでも頑張ってるんだ!”

  • 姿勢が悪い
  • 体育が苦手
    走り方がぎこちない。ドリブルができない。縄跳びができない。自転車に乗れない。キャッチボール、バレーボール、鉄棒、ロッククライミングetc……。
  • 力のコントロールが下手。何でも時間がかかる。
    ボタンはめ、靴下をはく等に時間がかかる。塗り絵をすると、はみ出てうまく塗ることができない。鉛筆の握り方がおかしい。文字が汚い、形が揃わない。食べ物をよくこぼす。
  • 物をよく落とす。人や物によくぶつかる。
  • 眼の使い方が不器用
    黒板を写す、教科書の文字をノートに写すのが苦手。探し物をうまく見つけられない。パズルを嫌がる。

不器用さの例を挙げるとキリがない……。

研修では、「軍手で折り紙を折る感覚」「背中をタッチされた時、どこを触られたのかあやふや」などの話もありました。

不器用さが起こる要因は主に2つ。

  • 自分の身体の感覚をつかみにくい。
    見えない部分の存在(イメージ)がわからない。
  • 見る力が弱い。

じゃ、どうしたらいいか?

運動療法作業療法を行う。苦手なことには合理的配慮を。

運動療法作業療法

特に就学前(3~6歳頃)に行うと効果的で小学校生活を過ごしやすくなる。不慣れな運動の経験や手足と目の協調を高める遊びを行う。

ジャンプ、トランポリン、毛布ソリ、ぞうきんがけ、机ふき、重たい荷物を運ぶ、ボールプール、布団くぐり、段ボール箱に入る、狭い道を通る、はしご、平均台、誰かと一緒にする活動(布にボールを載せて運ぶ等)、風船バレー、点つなぎ、迷路、ラキュー、ウォーリーを探せ、洗濯ばさみ、ねじまわし……etc。

家庭だけではなかなか十分にはできないから、発達支援や園の理解・協力が不可欠になってきます。近年は「できるだけ保育園・幼稚園で受け入れるように」という方針なので発達支援を行う施設は少なく、あったとしても待機児童問題のようになかなか条件が合うサービスを受けられません。

娘の支援を探した時にも児童デイサービスの人から見た目で判断されて「必要ないでしょう!うちはそういうのやってませんから!」と言われた所もありました。

なので、園に頼る部分が大きいのですが、これも園によって方針が違うようで……入園の時に慎重に選ぶ必要があります。……ってことを考える時にいつも思うのは、保育士さんの数を増やして待遇を良くしてあげて~!

 

 合理的配慮

視覚的なサポートがあるとイメージしやすい。

  • 手や足を置く位置に、手形・足形等の印をつける。
  • 道具の工夫(握りやすいはさみ、太い鉛筆やグリップを使う、芯が太く折れにくいシャーペン、重いので支えやすい製図用ペン、滑りにくい定規)
  • カットアウトテーブル、滑り止めシート、書見台

 一人一人の特性に合わせた配慮があって、成功体験を積み重ねると自己肯定感を持つことができます。

 

現在のワタシだから言えること。「不器用でも何とか生活できる」

幼児期から20代くらいまでは大問題で周りの理解やサポートは重要。日常でうまくいかないことが続くと、新しいことにチャレンジしなくなり、自尊心も育ちにくい。

不器用な自分を受け入れ工夫して暮らせるようになると、それほど気にならなくなってくる。

 


このブログについては、プロフィール(翼の折れたペガサスid:thebrokenwing&1回目の記事をご覧下さい。

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