本当にこわいのはーー発達の特性に理解あるフリしてマウンティングしている保護者
ちょっと気になる子どもを持つ保護者にとって、就学を控えたこの時期は「特別支援学級」「通常学級」「通常学級に在籍して時々通級指導教室へ行く」のどれにすべきか悩む頃ではないですか?わが家も正月明けのこの時期に決断しました。
年長のGW明けに市の就学相談へ電話し予約(年中時に療育センターの先生から相談するようアドバイスを受けていました。)
→娘と一緒または母親のみで数回面談、テスト
→夏休み明けてすぐ就学相談担当の先生が園を訪問、普段の様子を視察、園の先生から聞き取り
→12月、親子3人で就学予定の小学校を訪問、校長先生の案内で授業見学(1年生と支援級の全クラス)、面談
→1月、通常級で就学することを決断。校長先生の理解があること、全学級に視覚支援(PC&ディスプレイ)が導入されていることが決め手になりました。
(注)就学相談ーー市教委、小学校、保護者を結び、就学へ向けての相談を受け付けている市の窓口
学校見学の際、就学相談の先生や校長先生からは
「3月までよく考えて決めて下さい。」と言っていただけましたが、私は
「早目に決めます。それに合わせて準備を進めたいので。」と伝えました。
ここまでくる過程で複数の先生が話されていて印象に残った内容があります。
- 子どもは嘘をつく。
- 相手が傷つくようなことを言う。(幼児期はもっと多いことでしょう。)
- いずれは社会に出なければいけない。(ずっと少人数の守られた場所で生きていくわけではない。自治体の対応によって異なりますが、知的障害や身体不自由がなく療育手帳や障害者手帳の交付対象にならない子どもたちは一般的な進学・就職を目指すことになります。)
- 子どもたちは頑張ってます。なかなか理解を得られないのは保護者なんです。
小学校へ入ってみて先生方が話されていたことがわかる気がします。いろんな特性、環境の人が集まって生きていくのだから、子供の頃から多様性を受け入れ、対応できる力を身に付けていってほしい。
気になる子たちを仲間はずれにしたり、集団で責め立てる子どもたちの保護者には「特性に理解を示す姿を装ってマウンティングしている」ことがよくあります。
- 娘の同級生のママさん「まだ○○できないなんてヤバいじゃん!うちの子も○○できるよ。」
- うちの娘たぬこが××できないという話をしている時、娘たちを県内トップクラスの有名私立中学・高校へ通わせている義姉がニコニコしながら「いろいろあるよねぇ~」すぐに全く違う話題へ。自分の娘のことをへりくだりつつ自慢げに「うちの子もバカじゃないから!(笑)」
「発達障害=脳の発達の特性」とだけ知っていて実際にはどういう生活・取組をしているか詳しくは知らない、もしくは昨年末(12/26)にYahoo!ニュースでも取り上げられた「アンコンシャス・バイアス」ではないでしょうか。
「○○に対して自分はこう思っている」と本人が自覚しているのがコンシャス・バイアス。対してアンコンシャス・バイアスは、そう思っていると本人が気付いておらず、しかし行動レベルで表出してしまう先入観や偏見をいいます。星加さんいわく、真のダイバーシティ実現には表立ったバイアスをなくすだけでは意味がなく、これらの潜在的な部分にこそ働きかけることが重要なのだとか。
出典:自覚していない偏見「アンコンシャス・バイアス」とは? | 社会の今、未来の私 | mi-mollet(ミモレ) | 明日の私は、もっと楽しい
会話したことのない相手の「見た目」や「噂に聞いたレッテル」で勝手な想像、行動の前後や周囲の状況をほとんど見ず、ちょっとした行動の「結果を批判」……。そういう経験は、私自身も数えきれないほど受けてきました。(私もおしゃべりが下手なので誤解されないよう気を付けなくちゃ。)
性格的に合う・合わないはあると思うので、すべての人と仲良く・・というのではなく、自分とは違う特性や意見を受け入れられるかどうかだと思います。
「○○できないとダメ!」と否定しない。
「そういう人もいるんだなぁ」と認めることができる。
- 苦手なことを楽しんだり、できるようにするにはどうしたらいいか?を考える。
- どうしても苦手なことは無理してやらなくてもいい。
- 集団の中で生きていくために必要なマナー・できた方が良いこともあるので、サポートしながら諦めずに取り組む。
- お互いに得意なことで助け合ったり、余裕のある人が手伝ったり……。
関わり方はいろいろあっていいので、自分なりの多様性への対応を模索できたらいいなぁ。
子どもたちは保護者の考え方に影響を受けやすく、理解があまりないまま行動がエスカレートしてしまい、いじめや二次障害を引き起こしてしまうことが心配です。
普段の生活の中で、病や障害等については関心を持って調べないと詳しく知る機会はほぼないのでは?(みんなが暮らしやすくなるために保護者向け講習会を行う園や小学校が増えたらいいのに。)こうして今この記事を読まれている方は、関心や理解を持っていらっしゃると思います。本当にこわいのは、発達障害etcに関するニュースや身近にいる凸凹っ子に見向きもせず通り過ぎている保護者です。
過去記事まとめ
このブログについては、プロフィール(翼の折れたペガサスid:thebrokenwing)&1回目の記事をご覧下さい。
2018/10/30 手のかかる親子の日記始めます ~二次障害を防ぎたい~
2018/12/03 1キロは・・・ ~冗談か本気かわからない&無口なダンナ~ &11月記事リンク
2018/12/22 2つの小さな奇跡(2)~じゃがいも泥だんご/みんなちがってみんないい ~ &12月記事リンク