遠城寺式で大炎上!~感覚過敏・鈍麻プラス恐怖症~
前回「もちもちは好きでベタベタは苦手」という感覚過敏・鈍麻に関わる話に少しだけ触れたので、診断を受けた時のことを書いてみます。
遠城寺式で大炎上!!
幼児期、最初に受けた検査で「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」というのがありました。
家での様子についてのチェック項目を見て
「ほとんど当てはまるなぁ。こんなもんなのかなぁ。」
と思いながら記入しました。掃除機の音を嫌がる……とかいろいろありましたが、内容の詳細はほとんど忘れてしまいました。(*'▽')
チェックシートと療育センターで面談形式で行った検査を合わせ、複数の先生方の意見を総合して出た診断が「自閉症スペクトラム」でした。
(from illustAC)
主治医の先生から検査結果の説明を受ける中で
「遠城寺式の結果から、感覚過敏があると考えられます。」
感覚過敏?何、それ?
後日、幼稚園の先生に報告した際にも
「感覚過敏って何ですか?敏感ということですか?」と聞かれました。園の先生方も保育については経験豊かでも、療育の専門家ではないんだなぁと感じた瞬間でした。
検査結果の話に戻って……
チェックシートにラインを入れてマークしてあるのを、ちらっと見せていただいたところ…
緑1つ、黄3つくらい、残り全部 赤 !!!
【緑:問題なし、黄:配慮が必要、赤:日常生活に支障をきたす】レベルです。
「ほとんどの場合、緑か黄色でおさまるんですよ。」
えぇ~~っ!めちゃめちゃ炎上してるよ~~!!
- 洋服のタグがイヤ
- 特定の音が苦手
など具体的にわかるものなら周りも理解しやすく、感覚過敏に関する認知度も上がってきていると思います。
でも、娘のようなケースは気付かれにくいです。視覚、触覚、聴覚、嗅覚……。我が家と似た経験をしても、本人やまわりの人がその原因に気付くことができず困っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
聴覚過敏・鈍麻の場合……
- 全ての音が同じ音量で入ってきて、聞きたい音や声に集中することができない。
- 何かに気を取られていて声をかけられても、耳・脳に届いていない。
そのため指示通りの行動がとれなかったり、無視したと思われてしまいます。
「聞こえなかった!」と主張しても、周りの人から見ると「聞こえるように言ったよ。」「聞こえないはずないよ。」となってしまいます。コレ実際に、同級生や先生から言われた言葉で、よくあるトラブルです。集中しやすい環境や、話し手に注意を向けさせる工夫が必要です。
ただし娘の場合は、単に特定の物に過敏・鈍麻というわけではありません。プラス「予想できないことが起こると不安が強くなる」「特定の対象に対する恐怖症」があり、生活に支障をきたすレベルになっています。
幼児期の経験を挙げてみます。
突然の大きな音
年少(3歳)の夏休み夕方『おかあさんといっしょ』を一人で見ており、私は5mくらい離れた場所で夕食の支度を始めていました。
「ぱわわぷたいそう」が始まる頃、突然テレビや携帯から一斉に
ブーブーブー!大きな音がっ!!
「緊急地震速報」でした。
えっ!地震が来るっ!と娘の傍へ駆け寄ると同時に、娘は大きな音に驚き腰が抜け大泣き!その後すぐに「誤報」とわかったのですが、パニックになっているためしばらく動くこともできず泣き止みませんでした。これが本当の大地震だったら、私たちは逃げることができただろうか?と今でも考えます。
(現在、当市では放課後等児童デイサービス利用時に必要な障害児通所支援受給者証申請の際に提出するセルフプランを記入する時、災害が発生した場合に支援センター等による「災害後の生活支援」を希望するかどうかをチェックするようになっています。)
お気に入りの番組は何度も繰り返し見ることがよくあるので、その回も録画していました。翌日以降、やはり何度も見るのですが必ず「体操」が始まる前に自分で停止し、「地震くる?」と不安そうにしていました。通常の放送でも同様に、体操の時間になるとピッ!とテレビを消すという行動が半年続きました。
翌春から体操が「ブンバ・ボーン!」に代わったので、この行動はなくなりましたが、幼児向けの体操は嫌がるようになりました。
恐怖症
特定の場所や対象に対する「恐怖症」もあり、特に苦労しているのはトイレです。
小学校へ入った頃、トイレへ行くことを怖がる娘に担任の先生が理由を尋ねると
「花子さんがいるから。」と答えたそうです。(~_~;)
家では、そんなこと一言も言ってないんですけどね。
担任の先生は特別支援学級の先生とも相談してくださり
「見える子には見えるからねぇ。」と受け入れていただけました。先生によるトイレへの誘導や付き添いは2年生の6月まで続きました。そして、昨夏トイレの改修が行われ洋式トイレが増えたおかげもあり、小学校でのこの問題はもう少しで解決できそうです。
トイレトレーニングについては語りつくせないくらい色々あって、今でも気になる部分ですが少~しずつ発達しているのでもうちょっとかな。
最近(2019/3/2)気になった記事で、
自閉症スペクトラム(ASD)の主症状は、社会的なコミュニケーションの困難と反復行動だが、これとともに半分の人たちで様々な対象に対する恐怖症がある。例えば、特定の場所を極端に嫌がったり、髭を生やした人だけを恐れたり、特定の動物を恐れたり、一種の脳のアレルギーとも言える反応だ。そこで、アレルギーで抗原に慣れさせて反応を抑える脱感作治療のように、恐怖の対象を思い出させて脱感作するCognitive Behaviour Treatment(CBT)治療法が試みられているが、想像することが苦手な子供はCBTによる治療は難しい。
この問題を解決するため、ニューカッスル大学のグループは、恐怖症の対象を映像で経験させて恐怖症を取り除く大掛かりなシステムを開発し、その効果を無作為化試験で確かめJournal of Autism and Developmental Disordersにオンライン出版した。
というのがありました。
何か効果的な方法が見つかってほしいと期待します。
このブログについては、プロフィール(翼の折れたペガサスid:thebrokenwing)&1回目の記事をご覧下さい。